スキップしてメイン コンテンツに移動

Xシャーシで気をつけていること 1(駆動軸編)

駆動力の伝達部品まわりで気をつけている内容をまとめました.

自分が気をつけているのは各駆動軸がズレないようにすることです.
ここで言っている駆動軸とは,モーターから始まってタイヤに駆動力が伝わるまでの全ての回転軸を指しています.具体的には,モーター軸,カウンターシャフト,車輪軸,プロペラシャフトのことです.これらの軸間距離が走行中にズレたりすると駆動力が適切に伝達できなくなるため最高速や加速に影響が出ると考えています.
これらの駆動軸がどのように支持されているか簡単にまとめると下表の通りです.


モーター軸 カウンター
シャフト
車輪軸 プロペラ
シャフト
支持部品 シャーシ
&Aパーツ
シャーシ
&Aパーツ
ベアリング シャーシ
&Aパーツ

車輪軸はベアリングで支持されており,他3つはシャーシとAパーツによって支持されていることがわかります.ベアリングの保持だと多少のガタはありますがほぼズレないと思っていいと思います.また,モーター軸の支持についてはこちら(モーターの固定編) にまとめましたので,以降はカウンターシャフトとプロペラシャフトに注目して話を進めていきます.

まず,カウンターシャフトとプロペラシャフトに接点部でどの方向に力が作用するか簡単にまとめました.


カウンターシャフト プロペラシャフト(モーター側) プロペラシャフト(スイッチ側)
正転
下(上)
逆転

表の通り,正転かFMにするために逆転させるかで方向は変わります.この辺りはこちら(外部リンク)でわかりやすく解説されていますので割愛いたしますが,スイッチ側のタイヤを固定してモーター側のタイヤを回してみるとプロペラシャフトに関しては確認できます.ただ,1つ例外として正転時のスイッチ側はスタート時などに外れることがあります.理由は憶測の域を出ていないので割愛しますが経験的にここも上方向の力が生じると思っていた方がいいと思います.

前置きが長くなってしまいましたが,自分がどこに気をつけているかというと,表内で上に力が作用する箇所のAパーツが浮かないように支持することです.この支持の有無での差異は,トルクの強いモーターほど作用力が大きくなるため顕著になると思います.
以降では正転と逆転の両方の代表的な支持方法を紹介していきます.

正転

正転時はスイッチ側のプロペラシャフトとカウンターシャフトの支持補強です.
まずスイッチ側プロペラシャフトの支持の代表的な方法は下記の2種類になります.
・電池脇でネジを通す
・バンパーからプレートを伸ばす

前述した通りここも固定した方が良いですが,常に力が作用する場所ではないので比較的簡単なつくりでもいいと個人的には思っております.

カウンターシャフトの支持補強は以下の2種類の方法が代表的です.
・リアステーの付け根からプレートを伸ばす
・電池脇にネジを通す

1つめの方法は作ったものがなかったので写真はイメージです.
1つめは接点部に近い位置で抑えてあげる考え方で,2つめはAパーツのフック位置から離れた位置を抑えてあげる考え方になります.XシャーシのカウンターまわりのAパーツはモーターの裏側にフックがあるため,写真で抑えているあたりから浮いてきます.なので,ここ抑えてあげるだけでカウンタシャフト付近のAパーツの浮きは抑えることができます.この方法は写真のように部品を作成するほか,Aパーツの柱を撤去してそこにネジを通して止めてもいいと思います.

逆転

モーターを逆転した場合はプロペラシャフトの両支持部になります.
モーター側は以下の2種類です.
・リアステーの付け根から伸ばす
・モーター脇に部品を取り付ける

1つめはカウンターシャフトの支持と似たような方法で,両方を一緒にやる方もいらっしゃいます.2つめは写真の通り,モータ脇にネジを立ててそこに部品を取り付ける方法です.このとき,この部品が回転してしまっては意味がないので,上面だけでなく側面も触れさせたり,ネジと接触面の位置関係に気をつけるなどした方がいいと思います.

スイッチ側は以下の3種類です.
・電池脇をネジで通す
・バンパーからプレートを伸ばす
・サイドフレームに部品を取り付ける

基本的に正転と同じですが,逆転時には常に力が働くので強固にした方がいいです.そのためバンパーから伸ばす場合でも,プロペラシャフトの接点部に近い位置まで伸ばす方が見受けられます.3つめは,サイドフレームを使ってモーター側の2つめの方法と近い方法で補強する方法になります.写真のものはサイドだけで固定していませんが,このようにネジなどを立ててカーボンの加工品などで支持する方法です.このときネジなどを使うとホイールと接触する場合もありますので,ホイール選びや固定する位置には注意が必要です.

おわりに:
この記事はこれまで快く教えてくださった方々や,インターネット上でマシンを公開されている方々のマシンを参考にまとめさせて頂きました.この場を借りて感謝申し上げます.一応,正転・逆転ともに実走して確認していますので,まだ試されていない方は騙されたと思ってやってみてはいかがでしょうか.
また,この辺りの工夫は人によって異なりますのでX系のマシンを見た際は気をつけてみると大変面白いと思います.

おまけ:
自分がFM車で使用している部品について述べます.また,この他にもいくつかの作例を別の記事(Xシャーシ用の自作GUP)にまとめましたので興味のある方はどうぞ.

この部品の作成に至ったのは支持の補強だけでなく,Aパーツの接点部の管理が面倒になったという経緯があります.そのため,この部品で気をつけている点は以下の3つです.
・浮かないこと
・支持高さは適切に保つことができるようにすること
・プロペラピニオンに触れないこと

1つめですが,本編の話です.固定方法は基本的には電池脇の方法と同じになりますが,3つめの都合などもあってサイドフレームにねじ込んだ両ネジシャフトの破片に引っ掛けるような構造になっております.これで上方向には2箇所で支持していることになるのでかなり強固です.


2つめの支持高さについてですが,Aパーツの支持部は少し突起があります.ですので,シャーシの受け部に対してカーボンを橋渡ししただけではプロペラシャフトの遊びが変わってしまいます.そこで,この部品では別の部品を挟み込むことで突起を設けています.この材料ですが,以前は車軸に使われるノーマルシャフトを利用していました.カーボンを使ったこともありますが使っているうちに削れてしまって遊びが変わってしまったので,今後使うことはないと思います.


3つめですが,これは言葉の通りです.プロペラシャフトのピニオンに側面から力が作用すると抜けなどトラブルの原因になりますので触れないようにかつ,その方向に動かないような固定の仕方になっています.

作成後そこそこ走らせましたがトラブルなく運用できていて個人的には大変満足です.
また,この着想は先人の方々のお話や公開してくださっているアイディア(特に固定方法,囲うように補強する考え方,サイドフレームの活用)の基に完成したものであり大変感謝しております.

更新履歴
18/06/21: おまけの冒頭に他の記事へのリンクを追加
17/04/30: 公開